「キョン君?」
真夜中も過ぎた頃ようやく帰宅した彼を温かく迎えてくれる少年。
今日は姿を見せない。
いつも土曜日の夜は彼の自宅に足を運んでくれるのに。
もしかして眠ってしまっているのでは、と
かすかな期待をしながらリビングの明かりをつけた。
「…おや…。」
するとテーブルの上に
まだほんのり温かい
コーヒーの入ったメーカーと
メモがあった。
『お帰りなさい。
ハルヒが天体観測を思い付いたらしいんで行ってきます。
冷めてると思うけど珍しくコーヒー美味く入ったから置いて行きますね。
まずくなってたら捨ててください。
じゃあ、すみません。
お仕事お疲れ様でした。
ゆっくり休んでくださいね。
また来週来ます。』
「…取られましたか。」
彼は苦笑して、ソファーに腰を下ろした。
ふう、と一つ息をつくと。
少年が置いて行ってくれたコーヒーをいただこうかと
一緒に伏せられていたカップを手にとった。
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「…上出来ですよ、キョン君。」
今はいない恋人に語りかけた。
「今度は、一緒に飲むとしましょうか。」
少し寂しく思いながら。またメモを手にとった。
すると、少し紙がすけて少年が消したらしい文字の跡が目に入った。
その字を理解すると。
彼の口元に笑みが浮かんだ。
「私もですよ。」
『今日は新川さんに会いたかったです。』
END
当時ハルヒちゃんで活躍してたのでまた書きたくなってました
新キョンです。
前の告白話を書いてから新川さんは私の中でコーヒー名人決定です!
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